2013年銀座に1号店をオープンして以来、関東エリアを中心に全国118店舗を構える立ち食いステーキのお店「いきなりステーキ」。ステーキというメニューでは考えられなかった立ち食いというスタイルでスピーディーに料理を提供することによりコストを抑え、美味しいお肉を低価格で提供するというのが売りのお店。
そのいきなりステーキが、2月23日(木曜日)マンハッタンのイーストビレッジに記念すべきアメリカ第1号店をオープンする。ニューヨークといえば老舗のステーキハウスが数多く存在し、日本に進出しているお店もある。重厚な内装、ベテランウエイターの行き届いたサービス、高級ワインにドライエイジの熟成肉が定番の高級店である。ニューヨークで立ち食いのお店といえば一枚のスライスを5分以内にささっと食べるという安いピザ屋ぐらい。立ち食い文化の無いこの街でしかもステーキの立ち食いというのはニューヨーカーも驚きだ。
いきなりステーキでは、店に入ると自分たちの立ち食いスポット?(席がないので)に案内される。荷物をかけるフックやかごも用意されているので荷物を置くところには困らない。ウエイターが飲み物とサイドディッシュのオーダーを取りにきてくれる。そのオーダーが完了したら、自分の立ち食いスポットに置かれた番号札を持ち、お肉をカットしてくる所に移動。番号札を渡し、自分の希望するお肉の種類、重さ、焼き加減を伝える。
お肉は、リブアイ、サーロイン、フィレの3種類。付け合せに玉ねぎととうもろこしが付いてくるのだが、ブロッコリー、さやいんげん、ジャガイモ等の他の野菜に変更したければそのことも伝える。そして自分の立ち食いスポットに戻り、お肉をわくわくしながら待つだけだ。お肉が運ばれてきたら、オリジナルステーキソースをじゅわーっとかけて、後はお肉をほおばりその味を堪能するのみ。途中飲み物の追加はウエイトスタッフに伝え、食べ終わったらチェックをもらい支払いキャッシュレジスターでお会計を済ませる。チップは料金に含まれている。
アメリカ人はお肉好きで、しかも厚切り肉には慣れており、日本以上の肉文化が根付いているということは言うまでもない。日本食が好きなニューヨーカーには、アメリカのステーキソースとはまったく異なる醤油ベースの特性ソースとガーリックという味のコンビネーションも抵抗はないであろう。ただ、最初は立ち食いスタイルへの戸惑いを感じる人は多いかもしれない。そんな戸惑いも、お肉の美味しさが忘れさせてくれれば、今後益々話題の人気店になるであろう。
株式会社ペッパーフードサービス、代表取締役社長CEO 一瀬邦夫氏に直撃インタビュー!
Q:アメリカ進出はいつ頃から考えられていましたか?またなぜニューヨークを選ばれたのですか?
A:ベニハナの創業者の故ロッキー青木氏とは昔からの知り合いで、アメリカで成功する彼を見て自分もいつかこの憧れのニューヨークで出店したいと考えていました。現実的な出店を考えたのはいきなりステーキ銀座店をオープンした2013年。このブランドを立ち上げてニューヨークに出店を決意しました。
Q:ステーキの本場アメリカ、そしてこの飲食店激戦区のニューヨークで今後はどのような挑戦が待ち構えていると思われますか?
A:もちろん、やってみないと分からない部分が多いのが正直なところです。ニューヨークに出店を決めた際、ああしたら良い、こうした方が良いのではといろいろなアドバイスを頂きました。しかし、それらのアドバイスを全て取り入れてしまったら、いきなりステーキのブランドではなくなってしまうと思いました。また、日本のままを持ってこなければなにが良くて何が悪いのか?という問題点も明確にならないと思いました。なので、味、グラムでの計り方(オンスに換算したチャートはあり)、立ち食い、という日本のそのままのスタイルを持ってきました。チップもいただきません。料金に含まれております。
特に立ち食いというスタイルについてですが、日本でも椅子を置いたお店もありますし、椅子がなくても繁盛しているお店もあります。アメリカ人にどう受け入れられるかはまだ未知の世界ですが、東京とニューヨークに共通して言えることは皆とても忙しいということ。時間を無駄にせず、すばやく美味しい料理を求めている人はいるに違いありません。今後どうしても椅子が必要となれば店内、 椅子が置けるようなスペースも十分確保しておりますので臨機応変に対応できる準備はしてあります。
Q:今後のアメリカでの展開を教えていただけますか?
A:年内にアメリカ国内で10店舗オープンを目指します。すでに、2号店、3号店の物件も決まりました。日本で2013年に1号店をオープンして、2014年末までに30店舗オープンすることができました。その勢いでアメリカでも店舗を増やしていきたいと思います。
Q:飲食業界の大ベテラン一瀬邦夫氏にずばり質問です。レストランを成功させる秘訣とは?
A:「お客様から儲けようと思ってはだめ」ということです。商売は相手に勝たせることが大切です。お客様がこられて「いらっしゃいませ」と向かえ入れ、お料理、サービスをと提供して、お客様が「ご馳走様」といって帰られる。このご馳走様といっていただいた時点でお客様の勝ちなのです。食材の原価率が高くても、お客様が勝てばまた戻ってきてくれてお店が繁盛します。お客様のみならず従業員も楽しい職場でなくてはいけません。従業員が楽しいと感じてくれれば、従業員も勝っているのです。
Ikinari Steak East Village
90 E 10th St, New York, NY 10003
(917) 388-3546
http://ikinaristeakusa.com/