インテリアも堪能できるギャラリースタイルのイタリアンレストラン 「Centvini」

イタリアンレストラン「Centvini/チェントヴィーニ」は、ソーホーとビレッジを隔てるハウストンストリートにある。アメリカのハイエンド旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー」において、2007年度の「ベスト・ニュー・レストラン・デザイン賞」を受賞、そして食業界の権威「ジェームス・ビアード・アワード」の「2008年ベスト・インテリア・デザイン部門」にもノミネートされるという実績を持つが、外観からはそんなことを微塵も感じることはできない。

NYらしさ溢れる完成のコラボレーション

店内をよく見回すと驚く事に気がつく。客席に使用されているラバーテーブルはMOMAに展示されるスウェーデンの「コンプロット・デザイン」による作品。また、壁に掲げられたいくつもの女性のイラストは、ミラノ出身のアーティスト、ピエロ・フォルナセッティによるもの。他にも、所々に使われた「ベニーニ」による歴代の照明やバーカウンターの上にぶら下がるゲオルグ・バルデレの作品「グリターボックス・シャンデリア」など、まるでアートギャラリーを訪れたかのように、数々の著名で個性的なアート作品群がレストランを装飾しているのだ。

それもそのはず。同レストランは、ソーホーの人気ギャラリー「MOSS」のオーナー、マレイ・モス氏と、マーレイヒル地区のイタリア料理店「I Trulli」のオーナー、ニコラ・マーゾヴィラ氏のコラボレーションにより実現した店舗なのだ。内装は「MOSS」がギャラリーの展示品を提供するということで全面的にバックアップ。このレストランは同ギャラリーと併設して建てられ、店舗ロゴもギャラリーのそれとイメージを揃えたものを使用している。

オーナーのニコラ氏曰く、内装のコンセプトは「Ongoing Project/オンゴーイング・プロジェクト(変わり続けるプロジェクト)」。レストランのインテリアの入れ替えは不定期で、ニコラ氏が独断でレストランに合ったものを「MOSS」のギャラリーからセレクトするというプロセスが取られている。最新の大掛かりなインストレーションは、天井から吊るされたガラス製のユニークな鐘の数々。

又、このレストランが「MOSS」のための新しい作品展示の場としても機能している。ただ客観的な作品として、個々のアイテムが展示されるギャラリーとは異なり、「チェントビーニ」では作品が実際に店舗空間で使われているため、違った角度でアートに触れる事ができる。これが理由で、レストランを訪れて作品の購入を決断する客も少なくない。

レストランの紹介がてら「MOSS」も案内してくれたニコラ氏。ギャラリー内のディスプレイを眺めながら歩く彼の姿は、まるでウィンドウショッピングを楽しんでいるかのよう。事実、買い物とは言わないまでも、一つ一つのアイテムを知ることは今後の内装を決定するための重要な作業であり、このギャラリーは様々な可能性を秘めた創造の場なのである。贅沢な「チェントビーニ」の内装の裏側には、アートとレストラン内装の合理的な融合を模索し続けるニコラ氏の努力が潜んでいる。

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