毎年世界中から約5000万人が訪れるニューヨーク。ジョン・F・ケネディ国際空港、ニュージャージのニューアーク・リバティー国際空港を通じ多くの人がニューヨークの地に降り立ち、それと同時に、連日ニューヨークからも世界中へ旅立っている。
国外、国内旅行に関わらず、旅の醍醐味はその土地でだからこそ堪能できる地元料理。ニューヨークから飛び出して訪れる観光地では一体なにが食べられるのか?PECOPECO!食紀行第1回目は、アメリカの米国自治連邦区、カリブ海に浮かぶ常夏の島、プエルトリコのレストランをご紹介。
ニューヨークからプエルトリコへの飛行時間は、約3時間半。アメリカン航空、ジェット・ブルー航空、デルタ航空、ユナイテッド航空がプエルトリコ便を連日、1日に数便運行しており、週末を利用して小旅行には最適のディスティネーション。
アメリカの米国自治連邦区ということで、入国審査もなく国内旅行と同様、現地空港到着後すぐ荷物を受け取り移動ができる。通貨もアメリカドル。年中暖かく、ニューヨークが寒くなる10月後半から翌年5月後半ぐらいまではピークシーズンで多くのニューヨーカーがプエルトリコを訪れる。
今回食紀行の案内役を務めてくれるのは、ラファエル・コット氏。プエルトリコのレストラン情報誌「ザ・ポケット・コンシェルジェ」の発行人。また食のウエブマガジン「Foodies PR」を運営している。プエルトリコのレストラン事情を熟知する同氏に、おすすめレストランを紹介していただいた。
「おまかせ」で頂くプエルトリコ料理:ORUJO Taller De Gastronomia
ルイス・ムニョス・マリン国際空港があり、島の中心都市サン・ファンから南に車で約40分のところにあるカグワスという街にあるレストラン。シェフオーナのカルロス・ポルテラ氏は、アメリカのロードアイランド州で料理を学び、その後、フロリダ州、テキサス州、そしてパナマやスペインでもシェフとして経験を積んできた、この道22年のベテランシェフ。昨年2014年に、今までの経験を生かし、自分の生まれ育った故郷で待望のレストランをオープンした。
レストランを始めるにあたり、コンセプトも色々と考えた。プエルトリコ料理だけれども新しく、近隣に多く存在するチェーンレストとランとは全く異なったコンセプトで料理を提供したいと考えた。地元の新鮮な食材を用い、手作りに拘り、リピーターのお客様が何度も足を運びたくなる料理が彼のレストランでは食すことが出来る。現在、定番メニューもあるが、やはり人気なのが、シェフのおまかせコース。シェフが仕入れたばかりの新鮮な食材からメニューを創りだすので、その日のメニューはなにかと期待を膨らませてる常連客も多い。
店内には、テレビスクリーンがあり、シェフが食材をお皿に盛り付ける様子を見ることができる。キッチンも大きなガラス窓から見ることができ、オープンキッチンではないものの、お客様にキッチンを少しでも近く感じてみらえるようにとこのような設定になっている。シェフも頻繁ダイニングエリアに運び料理の説明を行い、お客様からの質問にも積極的に答える。
「いずれはメニューをなくして、おまかせ1本でいきたい」と語るポルテラ氏。オープン以来、地元のファンから大きな支持を得て、最近ではレストランを増築し席数を増やしたばかりだとか。おまかせで頂くプエルトリコ料理を食べたい方にはおススメのレストランだ。
ORUJO Taller De Gastronomia
80 Av. Gautier Benítez, Caguas, 00725, Puerto Rico
Phone:787-508-0038
https://www.facebook.com/orujotaller
人気のモフォンゴボール:Bolitas by Chef Amaury
サン・ファンから車で約45分ほどのナランヒートという田舎街にあるレストラン。小さいころから料理が好きで母親から料理を学んできたシェフ・オーナーのアマウリー・ベリオス氏。料理の知識と高めたいと、プエルトリコのカロリーナーにある大学で料理を学ぶ。その後父親が経営するレストランで働き後独立。まずは20席ほどを設けたフードトラックビジネスを開始した。簡単なサンドイッチとサイドディッシュのみを出すフードトラックで、メニューや対応できるお客様の数も限られていた。料理に幅を持たせより多くのお客様を迎えたいと2年前にレストランをオープンした。
そのフードトラック時代から、人気のメニューがモフォンゴボール。モフォンゴとは、プエルトリコを代表する料理で、調理用バナナを揚げてつぶしたものに豚の皮をカリカリに揚げた物を小さく砕いて混ぜたもの。味付けは塩、オリーブオイル、にんにくなど。調理用バナナも青いもの、熟れて甘みを増した黄色いもの、その他、食用バナナよりももう少ししっとりとした出来上がりになるキャッサバを用いて作ったモフォンゴがある。
それら3種類で作られたモフォンゴが食べやすいサイズに丸められたモフォンゴボールがこのお店では人気の一品だ。もちろんボール状になっていない通常のモフォンゴもあり、今回の食紀行のナビゲーターのラファエルしも、「プエルトリコでナンバー1のモフォンゴを食べたければこのお店」と太鼓判を押す程。
プエルトリコを訪れる人にシェフからのメッセージをとお願いしたところ、「最高のプエルトリコ料理は、プエルトリコに来た人だけが味わえます。プエルトリコのシェフは誰もとても素晴らしい技術と情熱を持って料理を作っているので、絶対に満足のいく、そして人にも紹介したくなるような料理を堪能できること間違いなしです。是非プエルトリコに来て私達が誇る料理を食べていただきたいです。」その土地の食材、味を知り尽くしたシェフが作る最高のモフォンゴ。プエルトリコに行かれた際には、是非ご賞味いただきたい。
Bolitas by Chef Amaury
Km.12.9, PR-164, Naranjito, 00957, Puerto Rico
Phone:787-702-1306
http://www.bolitasrestaurant.com/
大自然の中でローカル食材に拘る:Ajimojito Bar And Rest
サン・ファンから車で南西40分のコメリオという街にある人気のレストラン。オーナー・シェフのフアン・ニエベス氏は2004年にプエルトリコを飛び出し、フロリダの料理学校で料理を学ぶ。その後、レストランで4年間働いた後、プエルトリコに戻り料理学校で講師を務める。2010年に地元コメリオで夫婦二人でレストランをオープンした。
その当時、テーブル4つ16席という小さなレストランからスタート。全財産を使い果たしてオープンしたレストラン。食材を買う資金もなくなり、なにがなんでもレストランをオープンしなければと開店した。日々二人で力を合わせてレストランを切り盛りし、1年もしないうちに、レストランの評判は瞬く間に広がり、レストランの外で数時間テーブル席を待つお客様の列ができるようになった。外にテーブルを置いたり、少しづつ増築したがそれでもニエベス氏の料理を食べたいと多くのお客様がレストランに長い列を作った。
2013年に今のレストランに移り、席数も94席に。週末にはプエルトリコ全土からお客様が足を運ぶほどの人気に。このレストランは、大自然の中にあり、ホテル、プール、レクレーションセンターが一緒になったエリアの一角にある。プエルトリコは年中暖かいので、全席パティオ席。自然の空気を吸いながら食事が楽しめる。
ニエベス氏は、使用する食材は地元のものに拘り、取れたての調理用バナナやアボガドを道端の露店で調達したり、地鶏の玉子を仕入れたりしている。今後、実家の畑もレストランで使用できる食材を栽培し、取れたての野菜で作れられた料理をお客様に食べてもらえるようにと考えている。
料理に対してとても貪欲で、常に新しい食材、そして調理法を勉強し、それを自らの料理に取り入れている。伝統的なプエルトリコの味を知っているシェフだからこそ基本の味を崩さず、且つ創作的な料理を作ることができるのだ。それが、地元の人々から絶大な支持を受けている理由なのであろう。
Ajimojito ‘s
Doña Elena, Comerío 00782, Puerto Rico
Phone:787-914-5837
https://www.facebook.com/Ajimojitos-Restaurant