Michael Anthony/マイケル・アンソニー

出身地: オハイオ/アメリカ
業界歴:17年
カテゴリー:フレンチ/ニューアメリカン


オハイオ州出身のマイケル氏は、インディアナ大学で、ビジネスとフランス語を専攻し、日本語を副専攻。在学中から、学んだ日本語をもっと上達させ、日本文化を学ぶために卒業後は日本に行く事を考えていた。「文化を学ぶためには旅行ではなく、実際にその国に住んでみなくては駄目」という持論の元、卒業後には日本の英会話学校に就職を決める。

探究心の旺盛だったマイケル氏は、英語教師として働く傍ら、ベーカリーや長野の農家で働くなど、積極的に様々な事に挑戦した。また、高校と大学時代に培ったレストランでのアルバイト経験を生かし、レストランでも働き始める。日本の厨房に立ったこの出来事が、マイケル氏のシェフ人生の始まりだった。

彼が働き始めたレストランは、小さなフレンチ・ビストロ「ビストロ・シマ」。女性のオーナーシェフ、シマさんは、調理のみならず、レストランのマネージメント業務でも多忙。人に教える余裕すらない程忙しく、実践で使える人材を求めていた。それを理解したマイケル氏の「なんでもやる」という意気込みが認められ、同店で雇われることとなる。 シマさんの厳しい指導の元、キッチンの掃除、料理、レストランのオペレーションとありとあらゆる事を学ぶ。結果として、レストラン経営がどれだけ大変かを自ら体感する事ができた。

1年半「ビストロ・シマ」で働き、シマさんから料理の基礎を十分に学ぶ。シマさんから「自分で教えられることはすべて教えた。もっと料理を追求したかったら、フランスに行くべきだ」とのアドバイスを受け、 フランスの料理学校、「エコール・スペキュール・ド・フランセーズ」 へ入学。 卒業後も、 「ジャック・カーニャ」、「アルベージュ」、そして「アントランス」 等の有名レストランで働くなど、フランスにて5年間のレストラン経験を積んだ。「その土地の料理はその土地で学ぶのが一番。 見ただけでは、実際何も身に付いていない。インタラクティブに、自分が体験する事で、本当に学ぶ事できる。そして、その国の言語もコニュニケーションをはかる為に大切なツールだ」とマイケル氏は語る。フランスでの経験を買われ、ニューヨークに戻っても「ダニエル」、「マーチ」、「ブルー・ヒル」といった有名レストランで働く。現在では「ジェームス・ビアード・アワード」の2008年最優秀レストラン賞に輝いた「グラマシー・ターバン」で腕をふるっている。

日本、フランスで経験を積み、現在ニューヨークで活躍するマイケル氏の料理に対するこだわりは、「シンプルすぎず、大げさすぎない」適期なバランス。食材をシンプルに料理するだけではなく、かといって必要以上に手は加えない。「1つ1つの食材を大切に調理している」という気配りとこだわりがお皿の上で表現されている事が大切と考える。また、彼がレストランの成功に最も大切と考える事は、 従業員が働きやすく、又、彼らそこで働く事に対して誇りを感じられるような環境を作り上げる事。マイケル氏曰く、「最優秀レストラン賞を受賞出来たのも、キッチンスタッフとウエイトスタッフが一丸となって、お客さまに最高のサービスと料理を提供し続けているからこそ。」

日本でもフランスでも、「23歳からシェフになるなんて、遅すぎる」と口を揃えて言われたそうだが、 今ではニューヨークのトップレベルのシェフとして活躍中だ 。彼の貪欲なチャレンジ精神が、今の地位を確立したといっても過言ではないだろう。


2001年から2004年
「Blue Hill New York」エグゼクティブ・シェフ
2004年から2006年
「Blue Hill at Stone Barns」エグゼクティブ・シェフ
2006年から現在
「Gramercy Tavern New York」エグゼクティブ・シェフ