次々に新しいレストランがオープンするブルックリン。マンハッタンまで足を運ばなくても色々な料理が食べられ、逆にブルックリンのレストランを訪れる人も少なくない。そして、ダウンタウンブルックリンでも韓国焼肉が食べられるようになった。
バークレーセンターからすぐ近くのダグラス・ストリートに新しくオープンした「Insa(インサ)」。韓国語で「挨拶」という意味で、挨拶と共にお客様を店内に迎え入れ、心地よく食事を楽しんでもらいたいという意味が込められている。
オーナーのソフイ・キム氏は、韓国出身。ニューヨークの料理学校を卒業後、米国内でも有名なシェフのアニータ・ロー氏やイタリアンシェフのチェーザレ・カゼッラ氏のもとで働いた経験も持つ。2005年にブルックリンのサンセットパークに夫のベン・シュナイダー氏と共に「The Good Fork」をオープン。ニューアメリカ料理レストランであるが、前菜の餃子は米系メディアにも多く取り上げられるほどの人気商品となった。
ブルックリンをホームグラウンドとする二人。次にやるお店は大好きな韓国料理で、ブルックリンにまだ欠けているもの、韓国焼肉と決めていた。そして、レストランだけではなく、カラオケやお酒も構想に組み込みこの「Insa」が生まれたのだ。
木製の趣のあるドアを開き、細い廊下を抜け中に入ると、100席もの広々としたダイニングホールへたどりつく。温かみのある木で統一されたテーブル、床、白い壁、そして天窓つきの天井、席からも見えるオープンなキッチン。他の焼肉店でよく見るテーブルごとの仕切りも一切なく、開放感溢れるスペース。清潔感溢れ、デザインにも拘り、レストランの雰囲気も楽しんでもらえるところが、昔からある韓国料理レストランとは違う。
ダイニングの横にあるバー&ラウンジスペース。レストランの入り口の横にもう一つドアがあり、そちらが直接の入り口になっている。60年代後半のサンフランシスコのチャイナタウンをイメージして装飾されており、赤いソファや花形の灯り、ちりばめられたアジアらしい小物が、東洋的空間をつくりだす。
キム氏の料理に対する拘りは、伝統的な韓国料理を手間隙かけて丁寧に作ること。加工品をなるべく使わず、食材の仕入先にも拘る。前菜でおススメなのはなんといっても、「Gogi Mandu」という蒸し餃子。豚肉と牛肉の合いびき肉に、豆腐と韮を混ぜて具をつくった餃子は、ふっくらとしていて、口に入れるとジューシーな肉汁が溢れだす。
また、「Seafood Corn Dog」とアメリカ人のお客様にわかりやすい名前の一品は、白身魚、イカ、エビのすり身を、衣を使わずに揚げたもので、韓国風さつま揚げといったところ。こちらも生の食材を全てすり身にしての手作りで、魚介の風味がしっかりある。コチュジャンケチャップとマヨネーズがかかっていて、まさにアメリカンドッグ感覚で食べられる。
焼肉のメニューには、マリネにされた骨付きカルビ、牛肉のブリスケット、豚バラがあり、NYの多くの一流レストランに出荷しているDeBraggaやマンハッタン内の四ツ星レストランすべてが利用しているというD’Artagnanから肉を仕入れている。焼肉は、自分のペースで焼きたい人は自分で焼くことができる、またお願いしてスタッフに調理してもらうことも可能だ。
焼肉でお腹が満たされたあとにもってこいなのがカラオケだ。カラオケは22人まで利用できる大きなパーティールームが1つ(一部屋あたり1時間160ドル)と、10人まで入れる個室が4つ(一部屋あたり1時間60ドル)。各部屋テーマによって内装が異なり、深海、ジャングル、宇宙、サイケデリック、と個性的な装飾が楽しめる。
カラオケでも軽食やお酒をオーダーすることができ、注文は部屋内に設置されたボタンを押し店員を呼ぶことで可能。カラオケ収録曲は英語と韓国語のものがメインだが一部日本語の曲も載っている。
焼肉のあとカラオケに行くもよし、バーに行くのもよし、カラオケに行くもよし。いろいろな目的で利用できるダウンタンブルックリン初の韓国焼肉&カラオケスポットだ。
Insa
328 Douglass St Brooklyn, NY 11217
Phone: 718-855-2620
http://www.insabrooklyn.com/