出身地: ニュージャージー/アメリカ
業界歴:6年
カテゴリー:アジア
リチャード氏は、アメリカ生まれの韓国系アメリカ人。母親はとても料理が上手で、韓国の家庭料理を食べて育った。また、韓国料理以外にも、アメリカ料理や寿司、その他様々な国の料理も好んで食べていた。食べる事は大好きだったが、料理にはあまり興味がなかったと語るリチャード氏。その当時、将来シェフになるとは思ってもいなかった。
高校を卒業後、ニュージャージーの大学に進学し、経済学を専攻。卒業後進路がまだ定まっていなかったリチャード氏は、興味を持ち始めた料理を本格的に学んでみようと、ソーホーにあるフレンチ・カルナリー・インスティチュートに入学。料理の基礎を学ぶ。在学中にトライベッカにある高級ステーキハウス、「ディラン・プライム」で朝から夕方まで働き、夜は学校というハードな毎日をこなした。卒業後、すぐにセレブリティーシェフのロッコ氏のレストランに就職。その当時、ロッコ氏のリアリティーショーのテレビ番組をレストランにて収録中。あまり料理に集中できる環境ではないと感じ始めていた時に、「芸者」レストランのオープニングスタッフの声がかかり、新天地で挑戦することを決める。
2003年「芸者」レストランがオープン。リチャード氏は魚料理を担当。エグゼクティブ・シェフのマイケル・ベルモン氏のもとで料理について多く学ぶ。2005年にはスー・シェフに昇格、マイケル氏の右腕としてよりレストランのキッチンで力量を発揮するようになる。そして、2007年9月には、マイケル氏の退職を期に、リチャード氏がエグゼクティブ・シェフへと昇格した。スーシェフ時代から、重要な仕事を任せられていたので、この抜擢への対応はスムーズだった。
リチャード氏の料理に対するこだわりは、素材の味を生かしたシンプルな調理法。既に味のよい素材に色々と付け加える必要はないと考える。しかし、料理に対するシンプルな姿勢とは裏腹に、レストランのオペレーションに関しては、客に喜んでもらえるエンターテイメント性を重視している。常連客には、ニューヨークのハイソサエティー、セレブのお客様が多い。ブロードウェーショーや、オペラ鑑賞と同様、食事もエンターテイメントの1つなのだ。「レストランに入って真っ先にお客様を迎えるメイトルディーに始まり、ドリンクプログラム、食事、ホールスタッフのサービス全ての要素が完璧でなくてはならない」とリチャード氏は考える。
芸者レストランをニューヨークのトップレストランにする事が目標と語るリチャード氏。向上心と探究心を常に持ち、芸者ファンの期待を裏切らない料理をこれからも作り続けていく。