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自分らしく食を楽しむ生活を pecopeco! Deli

食の都NYのカルナリーマスターズ

  • 2003年
       「PUBLIC」
       エグゼクティブ・シェフ
  • 2006年
       「The Monday Room」
       エグゼクティブ・シェフ
  • 2008年
       「Double Crown」,「Madam Geneva」
       エグゼクティブ・シェフ

  • *****

    Brad Farmerie
    ブラッド・ファメリエ

    出身地: ペンシルベニア/米国
    業界歴:13年
    カテゴリー:フュージョン(オーストラリア/ニュージーランド)

    ペンシルベニア州、ピッツバーグで生まれ育ったファメリエ氏。家庭農園で自家栽培した野菜、自家製のパン、そして料理好きな母親のバラエティー豊かな食事という、食に対するこだわりのある環境で育つ。
    学生時代にペンシルベニア州立大学にて機械工学を勉強していた際に、学費を払うために飲食店でアルバイトをした。次第に料理の楽しみを覚え、大学を1年休学することを決意。料理とワインを肌身で学ぶため、ヨーロッパ、北アフリカ、中東、東南アジア、オーストラリア、そしてニュージーランドといった地域を転々とする。その結果、1年の予定だった食の旅が7年の歳月となり、1996年には当時の滞在地だったイギリスの料理学校「ル・コルドン・ブルー」にてグランド・ディプロマを取得。より真剣に料理に携わることとなる。

    その後、イギリスにおいて、「Coast」、「Chez Nico」、「Le Manoir aux Quat' Saisons」といった有名店でさらに知識と技術を高める。中でも「ヨーロッパにおけるフュージョン料理の父」と言われるPeter Gordon (ピーター・ゴードン)氏の「Suger Club」での修行は最も貴重な経験の一つであった。その後、同氏の店「The Providores」そして、「Tapa Room」のオープニングスタッフとしてオペレーションに加わった事はファメリエ氏の料理への姿勢に多大な影響を与えている。「ピーターは新しいことを試す事に躊躇がないんだ。とりあえず試してみて、今までにない新しい可能性を探る。彼から探究心の大切さを学んだよ」と語るファメリエ氏。

    2003年にアメリカに帰国。ニューヨークの著名デザインオフィス「AvroKO」とのコラボレーションによるコンテンポラリーレストラン「PUBLIC」のエグゼクティブ・シェフに就任。そのクリエイティビティー溢れる料理はニューヨーク・タイムズ紙やミシュランガイドに高く評価される。その後、2006年には「The Monday Room」を同レストラン内にオープン。ファメリエ氏の実験的とも言える斬新な料理の数々を世界の珍しいワインと共に楽しむというコンセプトは話題を呼んだ。

    2008年には同じく「AvroKO」のデザインによる「Double Crown」、「Madam Geneva」の2店舗をオープンさせる。英国植民地であった南アジアと東アジアの料理からのインスピレーションを得た2つレストランは隣接させられ、「2-in-1 project (2つのレストランで1つのコンセプトを共有するプロジェクト)」として完成させられている。オープンして間もなくNew York Timesから「最も優れたフュージョン料理」という評価を得る。
    ファメリエ氏にとって「フュージョン料理」とは基礎を理解して初めて完成できる料理。例えば、「柚子と味噌」という基本的な組み合わせを知り、その上で柚子を東南アジアの他の柑橘類に置き換えて個性を出す等、「基本から発展させる」というスタンスが大切だ。また栄養面でも、オリジナルのレシピに使用している食材に似た食感や風味を持ちながらも健康にいい食材を代用するという発想が成り立つのもフュージョンの利点だ。

    「ニューヨークという街は貴方にとってどんな街か?」という質問に対して、「ニューヨーカーは新しいものをとりあえず体験してみようとする好奇心が強い。食を楽しもうとする姿勢は他の街にはないね」とファメリエ氏は答える。また、ニューヨークは世界有数のレストラン激戦地区でありながらも同業者同士のサポート意識が強く、業界のネットワークを持つ事が大切だとのこと。

    「人に何と言われようと、自分の信じたスタイルを貫く事。そして迷わずに料理に情熱を注ぐ事。これがシェフとして一番大切なことだよ」と語るファメリエ氏の熱い瞳に、新しい料理を創造し続けるシェフの凄みを感じさせられた。


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