Eve's Cidery

ニューヨークが別名「ビッグ・アップル」と呼ばれているのは皆さん周知のとおり。ニューヨークはワシントンに次ぐ全米第2位のりんご生産量を誇る。スーパーで売られているりんごの種類を見ればそれは一目瞭然。アップルジャム、アップルケーキなどりんごをふんだんに使った食品も数多く見られる。

ニューヨーク市から北西に400キロ、車で5時間ほどの所にあるFinger Lakes。氷河湖群で水はけもよく、ぶどうやりんごの栽培に適したこの地域に大小様々なワイナリーが点在しており、休日になるとどこのワイナリーでも試飲会を開催している。Eve's Cideryワイナリーでも毎週末、たくさんの観光客をもてなしている。

Eve's Cideryワイナリーで作られているのはりんごのお酒、アップルサイダー。オータム・ストチェック、エズラ・シャーマン夫妻とパートナーのジェームスの三人によってりんご農園の管理からボトルに詰めるまでの全工程を自分たちの手で行っている。使われているりんごは発酵のために高い糖分とタンニンが含まれており、食用りんごとは違った特性をもっている。添加物を一切使用せず、伝統的なシャンパン製法を用いてりんごの爽やかな甘さを閉じ込めて発酵。出来上がったアップルサイダーは黄金色の美しい色合いで小さな泡がグラスの外にまで勢いよく弾け飛んでくる。

彼らのりんご農園の規模は回りの農園に比べると小さく1年間で作られるアップルサイダーは約3000ガロン。しかし彼らはそれをデメリットとは考えていない。手間の掛かる沢山の工程を自分たちの手で確実に行えるからだ。

現在販売されているアップルサイダーは「Bittersweet」、「Autumn’s Gold」、「Northern Spy」の3種類。フルーツワインも作られており「Peach Apple Wine」、「Essence」の2種類。アルコール度数は9%～12%となっている。

これらの商品は、4月から12月までの金曜日と土曜日にユニオンスクエアのグリーンマーケットで買うことができる。数に限りがあるので早目に行くことをお勧めする。

Text by Yoshimi Sagawa

（※）アップルサイダーとは地域によっては果汁100％のりんごジュースを指す場合があり、アルコールの入ったものをハードアップルサイダーと呼ぶことがあります。又、アップルサイダーはアップルシードル（フランス語）と呼ぶこともあります。