siggi's
とろっと濃厚でほんのり甘いヨーグルト。と思いきや、この「siggi's」実はヨーグルトではなく、アイスランドの伝統的な乳製品「skyr(スキール)」と呼ばれるもの。
アイスランドの朝食にかかせないskyrは、アイスランドで1000年以上も前から食べられている乳製品。スキムミルクから作られるのため低脂肪で、なのに高カルシウム。プロテインも通常のヨーグルトと比べ2~3倍とうれしいことずくめ。水分を濾して作るので、同量のヨーグルトの約3倍の牛乳を必要とし、そのためより濃厚な味わいが特徴。
事の始まりは、シギーさんが故郷アイスランドに帰れなかったホリデーシーズン。ホームシックにかかり、母親から送られてきた古いskyrのレシピを見つけ自宅のキッチンでつくったのがこの「siggi's」の第一号。その後、研究の場を自宅からアップステートのMorrisville大学に移し、さらに改良が加えられる。
苦心の末できあがったのが、予想を超えて美味しく出来上がったスキール。ところが小さな冷蔵庫に収まりきれず、NY市内に住む知り合いに配って回ることに。その友人の一人に「Murray's Cheese」の副社長リズさんがいた。リズさんはそのクオリティーの高さに感動し、Murray'sで販売できないかとシギーさんに持ちかける。スキールの可能性をあらためて確認したシギーさんは本業を辞め、彼の大学時代の教授であるマイケルさんと共に「the Icelandic Milk Skyr Corporation」を設立した。
「siggi's」の特徴はほのかな甘みと濃厚さ。着色料・人工甘味料は使われておらず、甘みはアガベシロップ(agave syrup)でつけられている。「オレンジ&ジンジャー」は、ほんのりオレンジの酸味が口の中に広がって、ジンジャーのつぶつぶがアクセントとなっている。
気になるのは「NO rBGH」のロゴ。rBGH(rconbinant Bovine Growth Hormone)とは遺伝子組み換え牛成長ホルモンのこと。牛を効率よく成長させミルクを搾取するための薬品で、危険性が指摘されているものである。全米の牛の約30%が月2回のrGBHを注射されているといわれている。このプロダクトにはrBGHを使用せず安全な食品造りを徹底している。
現在発売されているフレーバーは、プレーン、ブルーベリー、オレンジ&ジンジャー、ポメグランテ&パッションフルーツ、 Acai、グレープフルーツ、バニラの8種類。ついつい全種類試してみたくなる味。 Whole Foodsなどで購入可能。
Text by Yuka Nihei