「Patisserie Colson」のMadeline

「Patisserie Colson」のマドレーヌは、ベルギーで代々続く菓子店のレシピをもとにつくられているため、通常のものより甘さ控えめで、ややふわふわとした食感。小さな貝殻の形が愛らしいマドレーヌは、フランスが発祥の地。ちなみにこの形は、スペインの寺院への巡礼者が、ホタテガイの殻を携帯用の食器として持ち歩いた風習からきているといわれている。

ブルックリンのパークスロープはマンハッタンよりもゆっくり時間が流れている。その空気と人々をこよなく愛するのが「Patisserie Colson」のオーナーであるイスラエル氏だ。

イスラエル氏は映画製作のキャリアを積む為に、8年前にパリからやって来た。ドキュメンタリー映画の制作などをしていたが、もっと堅実で、地に足がついた仕事がしたかった。その時彼の脳裏に浮かんだのが、ベルギーで菓子店を営む父の姿だった。

彼の父親は、ビジネスパートナーであるコルソン氏と共にベルギーで菓子店を経営している。このコルソン氏こそが、2世紀も前から菓子店を営む家族をバックグラウンドに持ち、現在4冊の料理本を出版しているベルギークリナリー界の重鎮だった。

人々の日常を少しだけ幸せにする。自分のレストランをつくるということは、映画を作ることに似ているのではないか。そして、仕事の成果を目の前で実感できるという意味でも、とても魅力的なものに思えた。

まず彼は、なんとクレイグスリストでパートナを探し始めた。そこに応募して来たのが「French Culinary Institute」でお菓子作りを学んだミッシェル。彼はミッシェルと共にベルギー、フランスへ修行の旅に出る。コルソン氏のもとでは、ベーカリーを経営する方法を学び、元祖「Patisserie Colson」のレシピも伝授された。

スイーツやクロワッサンはもちろんのこと、サンドイッチ、スープなどのブレークファストメニューも充実している。こちらのアーモンドクロワッサンもおすすめのひとつ。マドレーヌは6個入りで$5。

Text by Yuka Nihei

貝殻の形がキュートなマドレーヌ