店名のBarrio(バリオ)とはスペイン語で「地区」の意味。名前の通り、パークスロープの人気エリアで地元の人々の人気を狙ってオープンしたメキシコ料理店。
オーナーは「BLT Prime」, 「Rain」, 「Calle Ocho」など多店舗をニューヨークに所有するスペンサー・ロスチャイルド氏。そしてシェフには「コンテンポラリー・ラテン料理の発案者」とも呼ばれるダグラス・ロドリゲス氏から教えを受けたエイドリアン・レオン氏を起用し、万全のタッグで臨む。

店のドアを開けると、ショッキングピンクの壁とアーティストによるラテン度溢れる壁画が 眼に飛び込んでくる。店内は、しっかりスペースをとったテーブルセッティングなので落ち着いて食事ができる。

入り口付近に設置してあるバーでは、エイドリアン氏の弟であり、ミクソロジストのネスター・レオン氏が指揮を取る。テキーラをベースにしたものが中心のオリジナルカクテルはユニークなものが多い。素材の味を活かしバランスのとれたカクテルの数々は、ただアルコールをふんだんに使った、酔うためのカクテルとは数段レベルが違う。ネスター氏のカクテルの中でもユニークなのはウォーターメロンのカクテル、「Watermelon Mint Margarita/ウォーターメロン・ミント・マルガリータ($8.00)」。スイカの甘みとベジタブルのような風味、そして飲み口に添えられたレッドペッパーの辛みが口の中で次々と踊るハプニングなドリンクだ。
また、Dulca Kamila/ドゥーカ・カミーラ($8.00)も試す価値のある一品。グリルしたハイビスカスが加えられたテキーラベースのカクテルで、あっさりとした飲み応えだ。熱を加えたことにより、甘みと酸っぱさが溢れ出したハイビスカスの花の風味は南国へと気持ちを誘ってくれる。

エイドリアン氏のレシピはお腹を満腹にさせる感のある一般のメキシコ料理とは全く違う。ボリュームを少なくし、エレガントさすら感じさせる新しいスタイルだ。ワカモレには自家製の小さなトルティアがついてくる。ポーションも小さく、アペタイザーやタパスといった感じで頂ける。「Soft Taquitos/ソフト・タキートス」は具が包まれた自家製の小さなトルティアが３つついてくる一品。旬の魚が載ってくる「Market Fish ($9.75)は、ピリッと辛いピンク色のクリーミーなソースが料理を引き締める。他にもグリルされた豚肉が割かれてサルサと共に載ってくる「Pork Carnitas($8.25)」やサルサ、シラントロ、タマネギなどとマリネされたステーキがジューシーな「Grilled Marinated Steak($8.95)」などがある。
Pollo Con Mole/ポロ・コン・モーレ($15.50)」はスパイシーさ、そして甘みと苦みが絶妙にミックスされたソース、「モレ・ポブラーノ」がチキンとしっかり共演した一品。サイドに白いメキシカンライスがついてくるのが定番だが、ここではグリーンライスを使い、プレゼンテーションにアクセントを加えている。

また、この店では日替わりのアントレーも用意する。ネスター氏曰く、今後はカクテルも日によってスペシャルを用意する予定とのこと。地元に住む人々をリピートさせる魅力溢れるレストランだ。

RESTAURANT INFORMATION
Barrio
210 7th Ave
Brooklyn NY 11215
Phone: 1-718-965-4000
www.barriofoods.com