マンハッタン、ペンシルバニア駅からロング・アイランド鉄道で約30分。マンハッタンとはひと味違う郊外のおもむきの漂うグレートネックに、日本食レストラン「MIRAKU　味楽」が2011年8月にオープンした。

駅から徒歩３分。大通りに面したドアを開けると、「いらっしゃいませー」という声が勢いよく聞こえてくる。広々とした店内を見渡すと真っ先に目に飛び込んで来るのは、きらきらと輝く壁を背にした寿司カウンター。店内の左側にはバー・ラウンジエリアがあり、右手にはダイニングエリアが広がる。掘りごたつの席もあり、自分たちだけのくつろげる空間をつくり出すことができる。

店を仕切るオーナーは、日本食が大好きというジンさん。ご両親が鮮魚の卸売業を営んでおり、以前は日本食レストランも経営していた。大学時代に留学したことをきっかけに自炊を始め、料理の楽しさに目覚めた。日本で一年間の語学留学を経てアメリカに戻り、念願の日本食レストランをオープンした。

コンセプトは「ジャパニーズ・モダン・居酒屋」。しかしながら、まだまだ「日本食＝寿司」というイメージが強い地域だけに地元の人にわかりやすく、バラエティーに富んだお寿司メニューを提供している。お寿司はまだまだ人気メニューではあるが「居酒屋」というコンセプトにこだわりお寿司以外の日本食も紹介していきたいと語るジンさん。お値段も手ごろに設定し、一品料理も豊富に取り揃えている。

ランチメニューは＄10前後で寿司セットやラーメン、やきうどんなどがある。巻き寿司セットでは、ツナ、サーモン、ハマチ、豆腐アボカド等15種類からお好みで選ぶことが出来る。ディナーメニューも、日本でもおなじみのおつまみ(枝豆、キュウリの酢漬け等)が＄３、単品の寿司や刺身が＄２〜５で用意されている。メニューはその他にも、焼き鳥や揚げ物、スープ、サラダなど豊富な品揃えがある。数種類をみんなで楽しくつついて食べるという居酒屋スタイルにはもってこいだ。バーには、地酒、地ビールを始め、カクテル、ワイン、焼酎などドリンクメニューが豊富に取り揃えられている。

実家が鮮魚の卸売りをされているという特権を活かし、お寿司、お刺身に使う魚貝類は新鮮。寿司を握るのはベテラン寿司職人の末吉氏。本格的な日本スタイルから、アメリカ人に人気の創作すしとバラエティーは豊か。サーモンの上にモッツァレラチーズをのせ、しその風味がアクセントにきいたイタリアンロールは、サーモンとチーズの濃厚でとろける感覚がたまらない。 ちらし寿司には、マグロ、ヒラメ、ハマチ、サーモンが贅沢にも厚切りにされて、エビや卵焼きと共に華やかに盛りつけられている。新鮮な魚本来の味を楽しみながらいただける一品だ。赤ピーマン、アスパラ、アボカドを白菜で巻いたベジタリアンロールは、バジルソースと共に一口で。赤ピーマンのほのかな甘みとバジルのさわやかな風味が絶妙。

日本食文化の根付いてきたアメリカに、「居酒屋スタイル」という日本食の楽しみ方がちらほらと現れてきている。駅近の「MIRAKU」は、マンハッタンから仕事帰りの皆さんが、「じゃあ一杯いきますか」と気軽に立ち寄れる空間だ。

[STORE INFORMATION]

Miraku
31 S Middle Neck Rd
Great Neck, NY 11021
(516) 466-6369
http://www.mirakuny.com