ギリシャ系アメリカ人が多く住む、クィーンズ区のアストリアは、まさにニューヨークのアテネ。新鮮な魚介類をシンプルに調理した料理が特徴のギリシャ料理を提供する本格的ギリシャ料理レストランも多く軒を連ねている。そんなアストリアにまた1つ新しいギリシャ料理レストラン「ティマーリ」がオープンした。
レストランに入ると入り口にはバー、ラウンジエリアがあり、奥に進むとダイニングエリアが広がる。ギリシャの建築家であるマリア•ムソウリ氏によってデザインされた内装は、大地の香り漂うオリーブや茶色、そしてギリシャの古典的な建築物の白い壁を思わせる白色のコントラストが、落ち着いた雰囲気を演出。壁にはギリシャの写真家であるジオルゴス•カトサゲロ氏によって撮られた宗教的なドキュメンタリーシリーズの写真の一部である、六枚のスポーツ写真が飾ってある。
ティマーリのオーナーであるコンスタンチノス• バラタマ氏は、元々テレビ関係の仕事をしていた。しかし、祖国ギリシャでの幼少時代の思い出、故郷に対する熱い想いを食で表現したいと思いレストランをオープンした。観光客が訪れるような有名な街から田舎の町まで、ギリシャ全土のレシピを基にメニューを考案した。
ギリシャ料理には欠かせない、小皿料理の「メゼ」は、野菜、魚、肉料理と種類も豊富。とりあえず他の料理をオーダーする前に、迷わずオーダーして欲しいのが「ピキリア」。焼きたてでふわふわのホームメイドのピタパンが添えられてテーブに運ばれてくる。他にも「ザジキ」や魚卵をほぐしてマッシュポテトなどを混ぜた「タラモサラタ」、茄子をペーストにした「メリジャノサラタ」などの手作りのディップソースは、どれもピタパンとの愛称が抜群。
タコのグリル「オクタボディ」は、とてもやわらかく風味豊か。「カラマリ」はかりかりの衣とヨーグルトディップのコンビネーションが食欲をそそる。ホタテ貝のたたきに少量のウニのバターを加えた「チタニア」は他ではあまり見ない一品だ。「サガナキ」は、油で炒めたギリシャのアラホバフェタチーズにサクサクとした胡麻風味のパイ皮とワイルドベリーのコンポートを添えた一品。他にも羊の内蔵、マッシュルーム、春タマネギ、オレガノを盛り合わせである「ティガニア」は人気の料理である。
通常ギリシャ料理の調理法は、シンプルにグリルで魚や肉を焼いてレモン汁とオリーブオイルをかけたものなどが多い。だがこの店では、プレゼンテーションにもひと工夫を加えている。「ラブラキ」と呼ばれる魚料理は、地中海でとれたシーバスを2枚に開きローストしたポテト、炒めたルッコラ、チェリートマト、オリーブ、ガーリック、ケイパーを添えてあり、味気の薄い魚に甘い塩味の風味を加える。
ギリシャ料理に合うワインといえばやはりギリシャワイン。赤、白各20種類のワインが用意されており、約9割のワインがギリシャ産。これだけギリシャ産のワインを取り扱っているレストランはアストリアでもこのお店のみ。
ティマーリは値段設定もお手頃で、食事をしなくてもバーで気軽にワインやメゼを楽むなどいろいろな形でレストランを利用できる。スタッフもとてもフレンドリーで、気軽に足を運べるギリシャレストランだ。
[STORE INFORMATION]
Thymari
32-07 34th Ave Astoria, NY 11106
718- 204-2880
www.thymari.com