イーストビレッジにある人気店「The Summit Bar」。2010年にはNew York Magazineのカクテルアワードを取ったことでも知られるが、そんな「The Summit Bar」のオーナーであるグレッグ・セイダー氏が、お酒だけでなくそれに合った料理もぜひ楽しんでもらいたいとのことで作ったのがこのカジュアルシーフードレストラン「Prima」だ。バーカウンターが4席、テーブル席も全部で40席ほど。小さいながらにもオープンキッチンがついた開放的な店内は、フレンドリーなスタッフが暖かい雰囲気でもてなしてくれて、とても居心地がいい。
ニューイングランドの海の近くで生まれ育ったセイダー氏にとっていつでも獲れたての新鮮な魚介類が食べられるのは当たり前だった。美味しいシーフードをニューヨークの人たちにもぜひ食べてもらいたいという想いから、Primaでは「カクテルに合った、フレッシュで素材の味を十分に楽しめるシンプルな魚料理をコンセプトに提供している。
「食事とのペアリングに合うカクテルを作るのには合わせる料理に使うものと同じハーブを使うのがコツだよ」と語るセイダー氏。そのこだわりとセンスが光るカクテルはどれも魅力的だ。中でも「The last Cocktail」は「The Luxury Collectionというセイダー氏が執筆したカクテル本の中にも登場するもので、ジン、プロセッコ、ペアーピューレにローズマリーがバランスよく調合されており、ジンが含まれているにもかかわらずお酒の強さを感じさせないとても飲みやすいカクテルに仕上がっている。
メインの魚料理は全部で6種類(季節により変更の可能性有り)。「Red Snapper」は、オリーブオイルとオニオンで焼いたキンメダイの一品。サイドに付いてくるカツオを練り込んだバター、そしてシェフが腕によりをかけて作り出した5種類のソースからお好きなものを選んで一緒に頂く(ソースは別途オーダーが必要)。新鮮で完璧に調理された魚は、もちろんソースなしにそれだけでも十分な味だ。
多くの人が絶賛する「Octopus」は、 香ばしく焼かれたタコに、フェタチーズ、オリーブにローズマリーやクミンなどのハーブを使用したオイルソースが絡み、中までしっかり味が染み込んでいる。アペタイザーとして気軽にカクテルと楽しみたいお薦めの一品だ。
「Sardines Rillettes」は、ポルトガルのいわしに、ケーパー、ブラックオリーブ、アンチョビを裏ごししたものと、ミント、オリーブオイルを混ぜている。サーディーンの缶詰に盛られたユニークなプレゼンテーションもカジュアルで気さくなセイダー氏の人柄を感じられるようで好感が持てる。
もちろん魚料理より肉料理が食べたい人向けに、ビーフやチキンなどのプレートも用意されている。
この店では昼から夕方までの時間はカジュアルに、コーヒーとPayardのクロワッサンやマフィンを提供している。また、土日には エッグベネディクトを中心としたブランチもあり。もうすぐランチも始めるとの話だ。
ニューヨークで美味しいシーフードが食べられるレストランは数少ないが、Primaはその中でも間違いなくお勧めできる店だ。是非こだわりのカクテルと一緒に楽しんでもらいたい。
(Text: Yukari Takashima)
[STORE INFORMATION]
PRIMA
58 E 1ST ST
646-559-4823
http://www.primanyc.net