「トルコ料理といっても、地域によって全く料理が異なるのはあまり知られていないね。バラエティーに富んだメニューを提供する私の店でそれを体験してほしい」と情熱的に語るのはオーナーシェフのGalip Ozbek 氏。フレンチレストランで15年、またJALの機内食も手がけた事のある熟練シェフである。トルコの農場で育ったOzbek氏は、自分のルーツであるトルコ料理で地元の人に愛されるレストランを目指し、おいしい本格的なトルコ料理をリーズナブルな価格で提供する店を立ち上げた。
店内はトルコから取り寄せたランプやトルコの農村の風景画、カントリー調の木製ワインラックなどで飾られた居心地の良い雰囲気となっている。ランプの赤や緑のガラスを通して暖かな光が店内を照らしている。通りに面して大きな窓ガラスがあり、開放感を演出している。
前菜のmeze platterは、スモーキーで滑らかな 茄子のディップbaba ghanoushやほのかに甘い 小茄子のロースト、シナモンで風味付けされたぶどうの葉の詰め物、 豆やポテト、たまねぎ、人参とガーリックを使ったpilakiの盛り合わせを楽しめる。 この一品と共に出てくるのはカゴに盛られた温かいパンである。このパンはニュージャージーのトルコ式ベーカリーから仕入れている。柔らかくフォカッチャのようなもちもちとして柔らかいパンにはトルコ産のオリーブのオイル漬けが添えられている。
温野菜がお望みなら、フレッシュミントとヨーグルトにガーリックを効かせたソースで食べる「Zucchini pancakes」がおすすめだ。韓国のパジュンや日本のネギ焼きを思い起こす馴染める一品だ。メインにはラムのひき肉と米をキャベツで巻き、ミントとディルをふんだんに使って仕上げるロールキャベツ「Stuffed cabbage」はいかがだろうか。濃厚なトマトソースにヨーグルトソースがかかっておりハーブと酸味のバランスが良い一品だ。
ケバブも忘れずに楽しんでもらいたい。「Mix grill Platter」では鶏肉、ラム肉、ラムひき肉、ラムチョップの4種類のケバブが味わえる。Ozbek氏はこの店のために独自のと殺場と食肉加工場を運営しており、肉には自信を持っている。ケバブのラム肉はタマネギの汁に2日間つけ込む事で臭みがとれ柔らかな食感となっている。
もちろんドリンクメニューもトルコから輸入している。果実の香りたっぷりのトルコワインはリスト中のどのワインを選んでも2本で$40以下とかなりお手頃。 Vodka、triple sec、チェリーとレモンジュースを使ったユニークなカクテルもある。Fig Vodka 、シャンパン、レモンとクランベリージュースを使った figenzau を試してみるのも良いだろう。
一般的に知られているケバブがその代表だが、 世界三大料理の一つにも挙げられるトルコ料理はもっと奥が深いもの。 ニューヨークのこの店で、もう一歩踏み込んだ本格的な一品を体験してみてはどうだろう。
(Text: Aki Watanabe)
[STORE INFORMATION]
Savann
414 Amsterdam Ave, New York, NY 10024
212-580-0202
営業時間:月—金 12:00pm-11:00pm, 土日 11:00am-11:00pm
http://www.savann.com