ニューヨークの人気観光地エリアのハーレム。アポロシアター、ゴスペルと、連日多くの観光客が訪れる。このエリアは、近年めざましい開発が進み、セレブシェフのレストランがオープンしたり、次々と新しいマンションも建設され、旧きよきハーレムと新しいハーレムがうまく共存している。
そんなハーレムにオープンした「JADO SUSHI」は、ローカルの注目する日本食レストランだ。オーナーは、このエリアに長年住み、2ブロック先でお洒落なワインショップも経営されている大津元伸氏。変わりつつあるハーレムを肌で感じ、一番近くで見ていた大津氏。コミュニティーの変化の中で、日本食を求める声がとても大きくなってきたが、日本食レストランがないという現状。そこにビジネスチャンスがあるのではと考え、このレストランをオープンすることに。
レストランのコンセプトは、ミッドタウン、ダウンタウンに行かずとも、ハーレムで大人が落ち着いて食事を楽しめる店。そして、日本人ワインショップオーナーの観点から、日本食、お寿司にあうワインが楽しめる店。インテリアはすべて大津氏が手がけた。実は大津氏、ワインショップを経営する他に、インテリアデザイナーでもあるのだ。
料理は、お寿司をメインに、色々な小皿メニューを揃える。日本の食材を使いクリエイティブなメニューが繰り広げられている。日本の食材をラテン料理の食材と合わせてみたりと、創造的な一品がメニューに並ぶ。
ドリンクメニューは拘りを持つ生産者の日本酒を取り扱い、ワインは日本食、お寿司にあうラインナップとなっている。なるべく多くの種類をお客様に楽しんでもらいたいということで、グラスでオーダーできるものを豊富に取り揃えているのは魅力だ。
人生の3回目の大きな転機。広告などを手掛けるグラフィックデザイナーから、インテリアデザイナーに転向。そして今回は、レストラン業に一から飛び込んだ。「私は、ありとあらゆる角度から、リサーチを行いました。自信を持ってオープンするためにも、入念な準備はとても大切。そしてなにより、レストランビジネスが好きでなくては、絶対にできないですね」と語る大津氏。レストランに対する意気込みが感じられた。お店を訪れるワインショプの常連客の多くも、大津氏の新たな挑戦を温かく見守っている。
日本人にとって「邪道」と思われがちなクリエイティビティーから生まれる様々な味の融合だが、ニューヨーカーにとっては、魅力溢れる料理として受け入れられている。そして、そのクリエイティビティーが、今後ハーレムにおいても「本道」になっていくのではないだろうか。
[STORE INFORMATION]
Jado Sushi
2118 Frederick Douglass Blvd
New York, NY 10026
(212) 866-2118
http://www.jadosushi.com