FELICEと言えばトスカーナ地方の料理・ワインを提供する高級イタリアンレストラン。これまでのアッパー・イーストサイドの2店舗に続き、3店舗目の"FELICE 15 Gold Street"がローワー・マンハッタンの金融街にオープンした。トンプソンホテル系ホテルGild Hall内に店舗を構え、落ち着いた高級感のあるレストランスペースと、その2階に続くワインラウンジ"La Soffitta"を備える。これまでの2店舗に続き、ニューヨークの常連客、ワイン好き、美食家などの間で話題になっている。
オーナーのJacopo Giustiniani氏は料理だけでなく、ワインへのこだわりも強い。実家はトスカーナ地方Luccaでワイナリーを経営してきた。10年前に同氏の弟が祖父からワイナリービジネスを引き継ぎ、年間7万本のワインを生産する。5年前からアメリカ向けビジネスを本格化させ、現在は生産数量の50%をアメリカに向け輸出している。
実家がワイナリーだけあって、料理とワインの相性は絶妙。それぞれの料理に合わせたワインをすすめてくれる。前菜には軽く飲みやすい白ワイン。パスタ、リゾットにはスパイシーな風味の赤。肉料理には適度にボディーのあるメルロー、カベルネの赤ワインなど。程よい渋みが口の中をさっぱりとさせてくれる。最後まで料理の味を飽きさせない心遣いもホスピタリティーの一つ。ワインラウンジには常時100種類のワインが保管されており、65%がトスカーナ産。気に入ったワインに合わせて料理を注文するのも楽しいかもしれない。
アンティパストのおすすめは、モッツァレラチーズ、グリーンオリーブ、チェリートマト、アボカドなどのサラダ。それぞれの素材の味を楽しめるよう、繊細な味付けに仕上がっている。適度な歯ごたえを残した平麺パスタとボロネーゼソースの相性は抜群。パルミジャーノチーズを和えながらアクセントつけて美味しく頂ける。リゾットは柔らかすぎず、硬すぎずリゾットならではのお米の食感が楽しめる。チーズの上品な風味を活かしながら、マッシュルームなど素材の美味しさを引き立てた味わいがうれしい。
メインは肉料理(Tagliata di Manzo)をお試し頂きたい。スライスされたサーロインに大粒の塩が振りかけられている。シンプルな味付けなので、肉の味をしっかりと味わうことができる。肉は柔らかく脂っぽさは無い。赤ワインでと合わせて、最後まで美味しく頂ける。サーロインの美味しさを最大限に引き出した一品だ。ドルチェは外観の美しさだけで、その美味しさまで伝わってくる。見たら絶対食べたくなってしまうものばかり。ティラミスはチーズの上品な風味と、ビスコッティに含まれたエスプレッソのほろ苦さのバランスが絶妙。2つの味が口の中で一体となり心地良い口溶けを醸し出す。
このレストランの味付けは上品かつ繊細、素材の味を引き立てたものが多い。それも新鮮で良質な材料を使っているからできること。日本の方にもきっと気に入って頂ける美味しさだろう。
オーナーのGiustiniani氏は「パッションとホスピタリティー」を何よりも大切にしている。初めて訪れる方にも、料理・ワインはもちろん、接客、店舗の雰囲気など全てにおいてそれらを感じることができるだろう。
(Text: Eiji Yamamoto)
[STORE INFORMATION]
Felice 15 Gold Street
Address: 15 Gold Street New York, NY 10038
Tel: 212-785-5950
www.felice15goldstreet.com
営業時間 7:30am - 10:30pm
ワインラウンジ"La Soffitta"は11:30pmまでオープン
Breakfast, Lunch, Dinnerでメニューが異なります