「旨味」という言葉をご存知だろうか?これは、日本人が発見した味覚で、酸味・甘味・塩味・苦味に次ぐ、第5の味覚であるとされている。この「旨味」をふんだんに使用した新味覚ハンバーガーを提供する「UMAMI BURGER」が、ロサンゼルスで一躍人気を集めている。既にカリフォルニアとフロリダに18店舗を構えているが、7月29日、遂にニューヨーク初となる1店舗目をグリニッジ・ヴィレッジにオープンした。
1階、2階にもバー、ダイニングエリアがあり店内は広々としている。お店のロゴデザインであるバーガーをモチーフにしたシャンデリアがあり、シックな雰囲気に包まれている。両階ともテーブル席とカウンターで、1階奥には盆栽と『うまみ』と書かれた額が飾られており、アジアンチックで粋な装飾が施されている。
オープン当初から多くの人が詰め掛け、店頭には毎日行列ができている。その人気の秘密は、文字通り「旨味」に隠されている。旨味とは20種類のアミノ酸から成るタンパク質のことで、昆布だしや鰹だしなどがこれを多く含んでいる。日本料理を始め、特にアジア料理においては極めて重要な味として昔から存在する。そこに注目したのが「UMAMI BURGER」の創設者であるアダム・フライシュマンである。
アダム氏は、元々ワインを扱う仕事をしていた。ロサンゼルスの有名なワイン小売店で働いた後、ロサンゼルスで最初のワインバーを開業した。ワインによって味覚感覚が優れた彼は、旨味を含めた5味に魅了される。そして、味覚重視のアメリカンスタイルのレストラン経営を思いつく。そこで注目したのがハンバーガーである。2009年にロサンゼルスで最初のUMAMI BURGERを出店。既存の多くのハンバーガー店との違いを生み出すため、質にこだわり旨味成分の詰まった食材を使い、高級感を与えた。
この店を象徴したメニューを体験するには、「オリジナルバーガー」がおすすめだ。アミノ酸の一種であるグルタミン酸を多く含むシイタケや、キャラメル色になるまで炒めたタマネギ、ローストトマトやパルメザンチーズを用いている。他にも、口いっぱいにトリュフの香りが広がるトリュフバーガーなど、旨味が醸し出す絶妙なハーモニーに虜になること間違いなしだ。「UMAMI」の「U」の形の刻印が押されたほんのり甘いバンズに、選び抜かれた食材が溢れんばかりにサンドされて、大きな白い皿に盛りつけられている。見た目にも高級感があるハンバーガーだ。サイドメニューも充実していて、サラダやポテトにチーズやトリュフをトッピングできるオプションがある。
また、アダム氏にちなんだワインの他、ドリンクも豊富に取り揃えており、夕方以降は仕事終わりの人達で賑わう。バーのような雰囲気の店内でハンバーガーにぴったりなワインを味わうもよし、はたまた、がつんとビールを飲んで盛り上がるのもいいだろう。
ハンバーガーを通して味わう旨みは、1度食べると病み付きになってしまう。多くのニューヨーカーが、その旨みを求めて列をなす。形は違うにしても、「旨み」というコンセプトがニューヨーカーの間でも確実に浸透しているだろう。
[STORE INFORMATION]
UMAMI BURGER
432 6th Avenue New York, NY 10011
212-677-8626
http://www.umami.com/