80年以上にわたって、ニューヨークのランドマーク的レストランとして知られるロシアン・ティー・ルーム。1927年にロシア帝国バレエ団のメンバーらによって開店して以来、多くの著名人、俳優、作家、政治家には社交の場として、そして会社の重役らには重要な取引の場として利用されてきた。また、隣のカーネギー・ホールでのパフォーマンスを祝う、特権階級に限られた場所でもあった。
他にも映画やテレビの舞台で頻繁に利用され、ダスティン・ホフマンの『トッツィー』、ウディ・アレンの『マンハッタン』、そして人気テレビ番組『ゴシップ・ガール』の撮影などがここで行われた。マドンナが下積み時代にコートチェックで働いていたことも有名だ。
店の入り口には正装したドアマン。その誘導で中に入ると、思わず息を呑む光景が目の前に広がる。マンハッタンの雑踏の中から、まるで別の世界に来たような錯覚。一階のメインフロアにあるダイニングルームに加え、プライベートイベントにも利用できる3つのフロアを提供。
二階のベアー・ラウンジは、ファベルジェの卵に着想を得たヴェネツィアン・ガラスの卵の木、そして4.5メートル大の熊をモチーフにした回転式水槽がお客様をお出迎え。 (スタンディング200名/席数160名)
三階のベアー・ボールルームは8メートルもの天井の高さで贅沢な空間を作り出し、そこは、遊び戯れる熊を描いたエッチング・ミラーとおどけた姿の真ちゅう製の熊を乗せた厳かなブロンズ製シャンデリアによって装飾されている。(スタンディング325名/席数280名)
最上階のハース・ルームでは、装飾のちりばめられた木板の壁、暖炉、クレムリン宮殿の生き生きとした立体模型を鑑賞する事ができる。(スタンディング180名/席数125名) 。これだけの豪華で非現実的な空間を提供するロシアン・ティー・ルームで、数々の結婚式やプライベートパーティーが開催されているというのは納得がいく。
これらのきらびやかな装飾の中で頂くお料理は、コンテンポラリーなアメリカ料理とロシア料理が融合したもの。ダイナミックで革新的なメニューから、レッド・ボルシチ、チキン・キエフ、ビーフ・ストロガノフなどの伝統料理まで用意されている。ワインプログラムは、ベテランソムリエにより厳選されたもの。また「ロシアといえば欠かせないヴォッカ等のハードリカーは40種類以上揃え見逃せない。通常のアラカルトメニューに加えて、「ビジネス・エクスプレス・ランチ(3コース: $40)」、「観劇前/後のお食事コース (3コース: $60)」、「ハイ・ティー/ロイヤル・ティー・コース(2コース $50)」、「お子様向けティー(2コース $35)]」も用意されている。
お食事はもちろんのこと、バーでおすすめのヴォッカを味わうも良し、ハイ・ティーで午後のひと時を過ごすも良しとロシアン・ティー・ルームの楽しみ方はいろいろ。ニューヨークには数々の有名店が多いが、これだけの歴史を誇るレストランは数少ない。間違いなく、ニューヨークで思い出のひと時を過ごせる場所だ。
150 West 57th Street New York, NY 10019
212- 581-7100