もともとはスペインが発祥の地と言われているが、今ではメキシコの代表的なデザート、 トレス・レチェス(TRES LECHES)。その意味は日本語で「３種類のミルク」。まさにそのミルクがこのケーキの鍵となる。

レシピは至って簡単。卵黄と砂糖を混ぜ、それを小麦粉、ベーキングパウダー、泡立てた卵白に混ぜてオーブンで15分程焼き上げる。オーブンから取り出したらすぐに、生クリーム、練乳、エバポレミルク、grand-marnieというリキュールを混ぜたものをたっぷりとかける。上品にお皿に盛られてテーブルに登場する時には、しつこくないホイップックリームが上に載り、バナナとイチゴが添えられている。

美味しさの秘訣はケーキのしっとり感と甘過ぎないミルクのバランスだ。
ミルクを思う存分吸い込んだケーキ。口に含むケーキの食感を感じた瞬間に、ジュワッとミルクの味わいが口の中に広がる。あまりの美味しさに思わず頬を押さえたくなる。３種類混合のミルクの甘さは練乳からのみで、余分に砂糖は加えられていない。なので、甘さは程よくシンプルでケーキとの愛称も抜群なのだ。新鮮さも大切な美味しさの理由。連日朝の７時からその日に販売する数だけを作り、いっさい作り置きはしない。

１日約70食はオーダーされるという人気のトレス・レチェス。３種類のミルクがしみこんだこの一品は、スパイシーなメキシコ料理を締めくくるにふさわしいスイーツだ。