19世紀にカリブ海地域のイギリス植民地であった西インド連邦で生まれたとされている謎めいた感じのカクテル「Queens Park Swizzle」。キャロルガーデンの人気バー「Clover Club」がブランチメニューに載せているこのカクテルは、誰もが虜になりかねない夏のカクテルだ。この店、1880年代はジャーナリストの集まるソーシャルクラブとして注目されていた。今では、カクテルのうまいバーとして各メディアで取り上げられている。
「Swizzle(スウィズル)」とはラムをベースにしたカクテル。シェイカーも使わず、かき混ぜもしない。「swizzle stick」という舟のオールにも似たマドラーをクラッシュしたアイスがいっぱい入ったグラス内に入れ、両手で火をおこす感じででこするように混ぜて作る。少し霜が降りた感じまでキーンと冷え、空気が入った感じがするのが特徴。バーテンダーの労力とオーダーした客の辛抱強さが多少必要となるドリンクでもある。
ラム、ライム、ビター、ミントが基本の材料。なんといってもClover Clubの一品はリキュールの量が絶妙。適度なアルコールを感じながらも、あっさりとして爽快に頂ける。また、フレッシュな材料を使っていることがしっかり感じられるのも好感度大。それに加えて、長細いグラスにきれいにレイヤーになったミント、アイス、ドリンク、赤いビターの色どりが堪らなく美しい。まさしく夏のブランチにちょうどぴったりのカクテルだ。
「モヒートがお好きな方なら試してみては…」とのウェイターの勧めにまんまと乗せられて、本当によかった。