「Bouley」、 「Del posto」、「WD-50」などのニューヨークの名店で経験を積んだスタッフ達がチームとなって繰り広げるスイーツ専門店「Momofuku Milk Bar」。「Momofuku」の名前からも判るように、セレブリティーシェフ、デイビット・チャンがプロデュースの店だ。「Momofuku Ssam Bar」の隣にできた立ち食いスタイルのこの小さなデザートの店には、他では見た事がないようなユニークなフレーバーのスイーツ達が揃っている。

中でもお勧めなのが「ソフト・サービング」と呼ばれる一品。いわゆるソフトクリームだ。定期的に新しいフレーバーが登場し、話題を呼んでいる。中でもユニークだったのが、ドーナツフレーバーシリーズ。「オールドファッション」、「ジャム」、「チョコレートドーナッツ」、「バーバリアンクリーム」などドーナッツとしては馴染みのあるフレーバーがソフトクリームとして登場してしまったのだ。他にも「グレープフルーツ」、「ソルティーピスタチオ」、「ファッジブラウニー」などのありそうでなかった「どんな味？」と思わせるものが次々と出されている。「パンプキン・チーズケーキ」、「ドルチェ・デ・レチェ」などそのフレーバーは留まる事を知らない。

全体的に日本人の味覚からするとちょっと甘すぎる(?)と感じるかもしれないが、そんな方にお勧めなのが、このソフト・サービングを使ったミルクシェイクだ。まずはソフト・サービングから好きなフレーバーを選び、その次に「Milk」のセクションより、好きなベースとなるフレーバーつきのミルクをチョイスする。つまり、組み合わせ方によって違った味が楽しめるという趣向なのだ。

ミルクのフレーバーはソフト・サービングに比べるとおとなしめ。ストロベリーミルク、コーヒーミルクといった定番を揃える。しかし、グレープフルーツ味のソフトクリームにコーヒーミルクといった組み合わせのミルクシェイク…どんな味がするかは飲んでみるまで判らない期待と緊張がそこにはある。常識を越えた味を受け入れて、「食を楽しむ」というニューヨーカーの食へのスタンスがあるからこそ実現している一品かもしれない。

常にニューヨークの食業界で、新しい試みを続けるデイビット・チャンの店に相応しいこの逸品。1つのソフトサービングをストレートに楽しむのもよし、また全てのフレーバーとトッピングを合わせた「サンプラー」を楽しむのもよし、ミルクと混ぜてシェイクでいくもよしの変幻自在のスイーツだ。