フランス出身のペストリーシェフLaurent Dupal氏のモットーは「シンプルかつ新鮮であること」だ。厳選した小麦粉、バター、塩などの材料を使い、熟練の技で生地を折り重ね、繊細な層を持つクロワッサンを作り上げる。
フランスの職人学校の権威である Compagnons du Devoir du Tour de Franceで技術を学んだDupal氏がニューヨークのSOHOでベーカリーを始めてから15年以上が経つ。Ceci-Celaでは本場パリに引けを取らない、ニューヨークで最高のペストリーを楽しむ事ができる。
良いクロワッサンの条件は、こんがりと金茶色に焼き上がり薄くて脆いパリパリのクラストであること、内側は薄い層が幾重にも重なりしっとりと柔らかいこと、バターの風味と自然な甘みが感じられることである。ニューヨークにペストリーは無数にあり、チョコレートクリームやジャムをつけたり、トースターで炙り直したりすればどれもおいしく食べられるけれども、お店で買ってそのまま味わえる、これほど美味しいクロワッサンが他にあるだろうか?
Ceci-Celaの人気クロワッサンはプレーン、ハム&チーズ、チョコレートアーモンドの3つだ。プレーンは素材の持つ甘さや風味、食感の軽さを楽しむ事ができ、シェフの技術を直接感じられる一品。ハム&チーズはコクのあるチーズとクロワッサンがマッチしてランチタイムにぴったり。チョコレートアーモンドは平たい形の中にチョコレートが隠れており、生地やアーモンドの香ばしさとチョコレートの濃厚な甘さがやみつきになる。
クロワッサンの他にもオペラやナポレオンといったフランス菓子がウインドウを飾り、道行く人の目を釘付けにする。口溶けの滑らかなカスタードクリームをたっぷり使ったケーキの数々はシェフの確かな腕を感じさせる。
Ceci-Celaは冷凍生地の卸売りも開始した。冷凍生地をオーブンで焼き上げるだけで焼きたてのパンを提供することが出来るようになり、Ceci-Celaの店頭で食べるものと同じレベルのクロワッサンをマンハッタンの多くの店で楽しむ事ができる日も遠くなさそうだ。
Text: Aki Watanabe