小籠包の食べ方は人それぞれ。蓮華に載せて上をかじる人もいれば、小皿の上で皮の端を箸で割いて、スープを出して楽しむ人もいる。また、醤油を付けるタイミングも蓮華にすくったり、スプーンで上からかけたりと人によって異なる。そんな小籠包だが、美味しい小籠包には共通点がある。もちっとした皮、それに包まれたジューシーな餡と溢れんばかりのスープは熱々であることだ。

観光ガイドの常連店のJOE'S SHANGHAIの味に刺激がなくなったという方もいるはず。今回ご紹介するのは、この人気店に勝るとも劣らない店、Shanghai Cafe Deluxeだ。チャイナタウンの雑然としたMott Streetにあるこの店は、初めての方には少々見つけづらいロケーションにある。店の目印は赤い屋根と「上海喬家柵」の文字。知っている人は知っているこの店は、いわばニューヨークにおける小籠包の裏人気店という位置づけが正しいだろう。テキパキした店員のサービスと安定したクオリティーの中華料理が評判の店だが、中でもお勧めなのが小籠包。清潔感ある店内は、人気のこの一品を求めて訪れた客と、蒸籠を担いで忙しく店内を動き回る従業員で活気に溢れている。

Shanghai Cafe Deluxeのメニューには、蟹と豚肉が一緒になった「Steamed Tiny Buns with crab meat and pork」と豚肉だけの「Steamed Tiny Buns with pork」の２種類が並び、ついつい他店でも人気の蟹が入ったものをオーダーしがちだが、ここは敢えてスタンダードな豚肉のみのシンプルな一品を試してもらいたい。

火傷に注意の蒸したてホヤホヤの小籠包の中にはスープがたっぷり。比較的に厚めの皮がこの店の小籠包の特徴。おそるおそるもっちりした皮に一口がぶりとやると、豚肉の旨味がたっぷり詰まったスープが溢れ出る。他店と比べてバランスの取れたまろやかで深みのある味わいだ。餡はしっとりしてジューシー。皮とスープと一緒になって、口の中で豚肉の旨味がふわっと広がる。気がつくとあっという間に１オーダー８個入りの蒸籠は空っぽに。。。「よし、追加オーダーを待とう」ということにならないように、予め２つ程オーダーしておくのがお勧め。

このお店、クレジットカードやトラベラーズチェックは取り扱わないので来店前にしっかりと現金の用意をお忘れずに！