ブロンクス出身のラウルさん。ニューヨーク市立大学シティーカレッジで人類学を専攻。将来は美術館のキューレターになることを夢見ていた。学生時代はマンハッタンの人気クラブ「ライムライト」にて、アルバイトでバーテンダーとして働く。ワインやリキュールに対しての深い知識がなくても、「大量のドリンクを早いスピードで提供することが第一優先」という刺激的なクラブシーンが彼の食業界デビューの第一歩だった。
その後、ナイトクラブでのバーテンダー経験を生かし、ニューヨークで100年以上の歴史を持つ老舗のキーンズ・ステーキハウスに就職。そこでドリンクの奥深さ、お客様へ提供するワインの知識の大切さを実感。自分でワインメモをつけたり、アメリカン・ソムリエ協会でボランティアを行う代わりに無料の講習を受けたりと独学でワインの知識を身につけていった。
現在ラウルさんは、ノース・スクエアのジェネラル・マネジャーを務め、レストラン全体のオペレーションを管理する。安定したブランドイメージを確立する為に、スタッフの教育にも余念がない。リピーターのお客様が多いため、既存顧客へ満足の行くサービスと料理を提供する事を念頭に置く。自分の持っているワインの知識も最大限に活用。スタッフが各自お客さまにワインについてきちんと説明できるように、ワイン講習会も行う。その努力の結果、ラウル氏がジェネラルマネジャーに就任して9ヶ月、ワインの売り上げも上昇した。
レストラン全体の向上に力を注ぐラウルさん。休みの日にはボクシングで体力作りと精神鍛錬を行う。オンとオフの切り替えに気を配りながら、日常の業務に望んでいるのだ。将来自分のレストランを持つ事を目標に、経験と実績作りに従ずる毎日だ。