レイシーさんは、メイン州出身。新鮮なシーフードに囲まれて育ち、小さい頃から食べる事が大好きだった。初めてレストラン業界に入ったのは、16歳の時。地元の中華料理屋でメイトルディーとして働く。その後、数々のレストランでウエイトレスとして働きながら、接客業の苦労と楽しさを経験する。20才の時にハイエンドなワインバーでバーテンダーの仕事に就いたのをきっかけにワインに興味を抱き始めた。しかし、飲食業界が面白くなりつつも、「本職」としては考えてはいなかった。
ファッションデザイナーになりたいという夢を持ち、地元を離れてニューヨークへ移る。新天地に住んで1年半の間は、ガーメント・ディストリクトの紳士服の会社で生地の仕入れや仕立てをして働く。
「自分のキャリアはファッションで」と考えていたが、人、料理、ワインが融合する刺激的なレストランで働きたいと思い始め、転職に踏み切る。「スシ・サンバ」でバーテンダーとして働いている時に同僚の勧めで、「アメリカン・ソムリエ・アソシエーション」に参加し、ワインの知識を高める。その後、「グレイズ」でソムリエとして5ヶ月働き、経験を着実に積み上げていった。ちょうどその頃に参加したワインのテイスティングイベントにて、現職「ゴッサム・バー・アンド・グリル」のビバレッジディレクター、マイケル氏と出会う。マイケル氏からのソムリエのポジションの誘いを受け、このニューヨークにおけるランドマーク的レストランで働き始める。
現在レイシー氏の仕事は、マイケル氏と伴にワインプログラムを作成すること。常に800種類以上のワインを管理し、小さなワイナリーで作られたブティックワインやユニークなワインをティスティングやオークションで探す。また、ソムリエとしてお客様の希望に沿ったワインを選ぶのも彼の仕事だ。ワインに詳しい客とはワイン談義を盛り上げ、初級者の客には思い出に残る1本を提供する。
ワインの面白みは、いくら学んでも終わりがない事。ワインの数だけ学ぶことがあります。」と笑顔で語るレイシー氏。現在は、最近出会ったブラジル産のワインについて勉強しているとのこと。
ワインの虜となったレイシー氏の夢は、フランスやイタリアのワイナリーでで自分のオリジナルワインを作ること。そして、食のジャーナリストとしてフード&ワインライターも目指している。今後益々ニューヨークの食業界で活躍してゆく女性の1人だ。