イタリアのベロア出身のクリストファーさん。祖父がドイツのミュンヘンでイタリアンレストランを経営しており、幼少時代からドイツとイタリアを行き来して育つ。毎年夏休みは、イタリアのリムニでホテルを経営する叔父の所でワイナリーやホテルの手伝いをしながら過ごす。
ミュンヘンの高校を卒業後、大学へは進学せず、アプレンタシップという職業訓練校でホテルマネージメントを学ぶ。卒業後は3年間ウエイターをしながら、イタリアン・ソムリエ・アソシエーションに通い、ぶどうの種類、ワイン作りのプロセス、土壌、ワインの特徴や値段設定など、ワインについての様々な事を学んだ。
ミュンヘンのレストランでソムリエやマネージャーとして8年間働きながら、いつかは他の土地で暮らしたいという想いを持ちつづけていた。2002年に、3週間の休暇を利用してニューヨークにやって来たクリストファーさんは、ニューヨークの不思議な魅力に取り付かれ、「いつかこの地で生活をする」と直感したそうだ。それから4年間かけて奥さんを説得し、ついにニューヨーク行きを決めた。
その後、ドイツで働いたレストランから推薦状を集め、知り合いに紹介してもらった店を対象に就職活動を開始。2006年に現在のレストランへの就職が決まり、夫婦でニューヨークに移住してきた。
現在ではレストランのワインディレクターとして、テイスティングイベントへの参加、ワインの買い付け、在庫の品質管理を行う。この店ではオーストリアワインのみを扱うので、限られたセレクションの中でレストランに合った値段と味のワインをうまく選定するのが鍵となる。
クリストファーさんは、将来、自分のレストランを開きたいと考えている。ニューヨークでレストランを開くには、綿密なプランと莫大な資金がかかることは十分理解している。焦らずに、チャンスが舞い込んでくる迄は大好きなニューヨークで刺激を受けながら経験を積みたいと考えている。