ワインを飲むのは好きだが、いささかワイン選びには頭を痛めるという経験をした方は多いであろう。“ワインのウンチク”を語るにはチト程遠い、若葉マークのワイン愛好家に強い味方のワインショップが今年5月にオープンした。

「Bottlerocket Wine & Spirit」は今までの伝統的な“リカーショップ”と、新しいコンセプトを織りまぜたワインショップ。壁際の棚には、従来通りワインボトルが国別、地域別に分けられている。
店の中心部には、“ISLAND／アイランド”と呼ばれるユニークなテーマがつけられた、陳列棚がある。“Seafood (魚料理) ”、“Poultry(鶏肉)”、“Meat(肉)”のアイランドには各食材に合うワインのセレクション。その他、オーガニックなワイン、雑誌に評論が載ったワイン、安くて美味しいワイン等の、カテゴリー別アイランドもある。

ギフト用のアイランドでは、仲のいい友達用、デート用、上司用とワインが値段別に分けられている。（ちなみに上司用は30ドル＋UP）。どのボトルにも、名前、原産地、年代、味の書かれた説明書が付いており、購入時にそのメモを印刷してくれる。ワインの情報を持ち帰ることができるのだ。この店で販売するワインの全ては、チーム全員で、念入りなテイスティングにより選定。お客様に最高の1本を提供するために、納得のいく商品発掘に余念がない。

この画期的なワインショップの仕掛人は、オーナーのトムさん。テレビ業界、IT業界で活躍していたビジネスマン。専門家ではないが、大のワイン好き。なぜ頭を悩ませず、簡単に、でも自分の判断でワインを選べるお店がないのかと長い間考えていた。いつか誰かが。。。。と願っていたが、待てど暮らせど、この夢のワインショップ一向に出現しない。そこで、トムさん自らがオープンを決意したのだ。

ただの道楽ではない。「ビジネス」としてのワインショップ経営の将来性もしっかりと見据えている。アメリカのワイン消費量は、ヨーロッパ諸国に比べて少ないが、ワインの消費額は高い。そして、アメリカでのワインの消費量も毎年増加傾向にあり、今後の発展性を確信している。2号店、３号店の店舗増加を目標に掲げ、“リカーショップ”業界に旋風巻き起こす勢いだ。

お気に入りのワインは？と聞いたところ、「子供と同じで、それぞれの個性があるから、どのワインとは選べないな。この店に置いてある商品の全て大好き。」との回答。２人の息子と、娘の父でもある彼の顔は、まるで我が子について語っているように、優しい笑みがこぼれる。ワイン選びが、ワインを飲む程楽しくなるボトルロケットへ、是非一度足を運んでみよう。