一瞬通り過ぎてしまいそうな小さなお店、通りを歩いていると、どこからともなく漂ってくる紅茶の爽やかな香り。振り向くと、そこには淡いクリーム色で統一された、シンプルそしてスタイリッシュなお店が。気の向くままにドアを開けると、紅茶の世界が溢れ出す…
若者でにぎわう場所ユニオンスクエアにある、Tavalon tea bar|nyc。有名ホテルのラウンジを数々手がけてきたデザイナーが造る店内は、やさしいなめらかな色合いで、紅茶のイメージを連想する。
小さいながらに高い天井。2階のバルコニーは、DJが一日中レコードを回している。壁には液晶パネルがあり、人気商品の原料や、定期的に行われるセミナー情報が書かれ、最新の情報を見る事ができる。
今までにない斬新なスタイルで人気の紅茶専門店。オーナーは、若干20代の男性達。インド人のソニーさんと韓国人のジョンさんは、新しい事にどんどん挑戦し、今の自分に満足する事なく、ずっと前進していたい!と、ワシントンの大学時代に意気投合。夢の実現の為にニューヨークへやって来た。
しかし、開店に至るまでには相当な努力を必要とした。
まず2人は何かビジネスを始めるにあたり、世界中で愛されている“紅茶”に目を向けた。近代的な紅茶専門店はまだ少なく、コーヒー店ばかり。だが紅茶店をつくるからには良いクオリティーのものを味わってもらいたいと、細部まで何度も話し合い研究を重ねた。
紅茶葉は、何度も“紅茶ソムリエ”のもとに通い、テイスティングや配合の知識を身につけたという2人の技術で、アジアの多地域やアフリカ等から取り寄せたものを使用するこだわり。紅茶が詳しくない人でも、葉の香りを匂えるようになっており、店員も詳しく教えてくれる。
また、ふたの飲み口は開け閉めができるようになっている。
歩きながら…、ちょっと食べ物を買ってからゆっくり公園で…、家に帰ってから…、飲む人の様々なスタイルまで考慮し、時間が経っても美味しく飲めるように、細かい所にまで気を配っている。
お店の名前“Tavalon”は“tea”と“avalon (神話で楽園の島という意味)”をかけ合わせてオーナー2人がつくった造語だ。自分達が創りだす新しいカタチの紅茶専門店で、世界中の人に満足して楽しんでもらいたいと願う彼らに終わりはない。ニューヨークだけにとどまらず、全米に支店を増やしていく予定。
これからもTavalonの紅茶スタイルは変化し続けていくだろう。