通称ベネズエラとして知られているベネズエラ・ボリバル共和国 (ベネズエラ・ボリバルきょうわこく)。南アメリカ北部に位置し、公用語はスペイン語(ベネズエラ・スペイン語)。「ニューヨークでのベネズエラコニュティーあまり大きくない」と語るニューヨーク在住のベネズエラ人、リカルドさんは、「アレパス・カフェ」のオーナーでもある。
リカルドさんの前職は、高級食材のトリュフをニューヨークの高級レストランに販売する営業マンだった。食品営業という形で長年携わってきたレストラン業界。いつしか自分でもレストラン経営をしたいという夢を持つようになる。
自らレストランをオープンするにあたり、ニューヨークにあまりないカテゴリーのレストランにしようと考えていたら、実は母国ベネズエラ料理のレストランこそあまり存在していないということに気付き「アレパス・カフェ」のオープンを決めた。またクィーンズのアストリアを選んだ理由も他にベネズエラ料理レストランは存在せず、クィーンズ唯一のベネズエラ料理レストランとなれるからだ。
今までベネズエラ料理はオープンしてもビジネスが続かず、閉店してしまうところが多かったそうだ。その理由は、ベネズエラ人を対象にした宣伝をしていなかったからだとリカルドさんは分析する。多くの人にベネズエラ料理を知ってもらうため、米系のメディアにも積極的にコンタクトをとりお店の紹介をしてもらえるように努力をした。
アレパス・カフェの「アレパ」とは、ベネズエラの代表的料理。トウモロコシから作られるパンのようなもの。それにいろいろな具を挟んで食べるのだ。人気のアレパは、牛肉、黒豆、プランテンを揚げたものとホワイトチーズがサンドしてある「Arepa Pabellon/アレパ・パベジョン」、豚肉にホワイトチーズのコンビネーションの「Mami/マミ」。そしてサメの肉の入った「Cazon/カソン」もシェフのおすすめアレパである。
また「Cachapa/カチャーパ」とよばれるこれまたトオモロコシから作られる少し甘いパンケーキにベネズエラ・チーズ(モッツエレラチーズをもう少しクリーミーにしたようなチーズ)に牛肉がたっぷり巻き込んである一品もシグニチャー料理。これは特製のアボガド&シラントロソースをかけていただく。
現在はベネズエラ人のみならず、地域の常連客にも人気のアレパス・カフェ。ニューヨークに数少ないベネズエラ料理が楽しめる場所。アストリアまで満腹紀行に出かけてみてはいかが?
(左)カチャーパ、(中央)サメの肉のはいったカソンアレパ、(右)ミニ・カチャーパとエンパナーダ。カチャーパ、アレパは具がたっぷり入ってボリューム満点。
気軽に食べられるアレパはテイクアウトメニューとしても人気。
数少ないベネズエラ料理。週末になるとわざわざ遠方から足を運ぶ人も多い。