ニューヨークに止めどなく生まれる新しい観光スポット。それらは、この街の住人にとっても魅力溢れる娯楽施設として親しまれています。また観光スポットにはお洒落なカフェやレストランが併設されているのも魅力の一つ。ゴールデンウィークの差し迫った今、この街で暮らす人にも旅行者にもお勧めの、食事まで楽しめるとっておきの場所をご紹介します。
「Alice Tully Hall/アリス・トゥリー・ホール」は、1969年にリンカーンセンター内にオープンしたコンサートホール。アリス・トゥリーは、同コンサートホールの設立資金の寄贈者。1953年、彼女の従兄にあたるリンカーンセンターの創設者、Arther Houghton, Jr (アーサー・ホートン・ジュニア)の依頼により、アリス・トゥーリー基金を設立した。
2007年4月30日に開催されたこの施設でのファイナルコンサート「Good Night Alice」を節目として、1年10ヶ月に及ぶ建て替え工事が開始され、今年の2月22日に新しく生まれ変わったアリス・トゥリー・ホールがオープンした。
コンクリートでできた旧ホールとは一転して、全面ガラス張りの外観。65丁目とBroadwayのコーナーに向けてシャープな三角形をしたデザインは斬新で印象的。また、ロビーエリアの天井はとても高く、室内にいながらも開放的な空間になっている。
コンサートホールは、最新の音響システムと照明が完備されており、最高のパフォーマンスを鑑賞できる環境になっている。 会場の内部には、壁の色を完璧なまでに統一するため、アフリカの「マオビ」と呼ばれる大木を丸ごと一本加工した板が使用されている。この木版は薄く加工されているので、背面に設置されたライトの光が透けて見え、まるで木から光が発光しているかのようにも感じられる。
世界トップレベルの音楽家達の演奏を連日聞けるのはニューヨークだからこそ。コンサートのスケジュールはリンカーンセンターのウェブサイトでチェックでき、チケットの購入も可能。この街に誕生した最も新しいコンサートホールで最高の音楽空間を体験してみてはいかが?
公演内容によりステージの大きさが自動調整できる仕組みになっている。席数は923席から1087席。コンサートだけでなく映画も上映される。
オリジナルカクテルは全て13ドル。コンサートのインターミッションや終了後にカクテルを楽しむ事ができる。
「at 65/アット・シックスティー・ファイブ」は、アリス・トゥリー・ホール内にできたカフェ。 この名前は、アリス・トゥリーの頭文字の「AT」と、建物の所在地が65ストリート上にあることを示す前置詞の「at」に由来している。旧ホールには、食事をする場所がなかったのだが、コンサートを鑑賞しに訪れる人以外にも施設に足を運んでもらおうという新しい試みからこのカフェが生まれた。
カフェはホールのロビーと隣接しており、早朝は全面ガラス張りの室内に太陽の光が降り注ぐ。天井が高く、こんな広々とした空間のカフェはマンハッタンにもそうは存在しない。またWI-FIも完備でパソコンを持ち込んでインターネットの利用も楽しめる。
営業時間は朝の8時から午後9時まで。コンサートがある日は、閉幕後も1時間オープンしている。朝食、ランチ兼ライト・ディナー、そしてワインやビール、オリジナルカクテルなど、ドリンクやフードは15ドル以下とリーズナブルに楽しめるのもうれしい。朝食にはバルサザールのクロワッサン、そしてベーコン、卵、ローストトマト、チェダーチーズがサンドされたイングリッシュマフィン、またフレッシュフルーツにヨーグルトなどが用意されている。ランチ兼ライト・ディナーにはサンドイッチやスープなどのスタンダードなものに加え、チキンポットパイ、シーフードシチュー等の腹持ちの良いメニューが用意されている。
開演前に時間がなくても気軽に食事ができるのはとても便利。またコンサートが目的でなくても、出勤前の会社員の新しい朝食スポットとして、ジュリアード大学の学生には友達同士でお茶をする場所として、また旅行者には休憩のためにふらりと立ち寄れる場所として利用されている。オープンしてたった2ヶ月であるが、アッパー・ウエストの憩いの場所になっている。
カフェの食べ物は軽食がメインだが、コンビネーション次第ではしっかりとした食事としても十分のボリューム。デザートも充実している。
こちらのカウンターでオーダー。セルフサービスなので、支払いをすませ、自分のオーダーした物を持ってお席へどうぞ。