70年代後半にハリウッドとフロリダにオープンした「Limelight Nightclub」。その後アトランタ、シカゴ、ロンドンなどの大都市にオープンされ、ここニューヨークでは1983年11月にチェルシー地区にオープン。教会を改築したクラブとして話題を呼んだ。初めはディスコミュージックとロックミュージックのクラブとしてオープンし、1990年代には、テクノやゴシックロック、インダストリアルミュージックで注目を集め、長い間ニューヨークのナイトライフの中核を担ってきた。ところがオーナーの逮捕というショッキングな出来事により、2003年9月に約20年の歴史に幕を下ろすこととなってしまった。
その後、フリーマーケットやサンプルセールの場として単発的に使用され、Limelightが再びNYのナイトライフの中心に返り咲くことはなかったが、今年5月におしゃれなショッピングスポット「Limelight Marketplace」としてついに生まれ変わった。
このマーケットの仕掛人は、SOHOで小売店を営んでいたJack Menashe(ジャック メナシェ)と「Mansour Design (マンスールデザイン)」の代表であるJames Mansour(ジェイムズ マンスール)。1844年に建造された教会の外観をそのまま残し、当時の雰囲気を感じられるユニークで新しいショッピングモールへの変身を見事に成功させた。建物の内部は外観からは想像できないようなモダンな内装が特徴。モノトーンのタイルで統一されたフロア、そして内装としてそのまま残されているステンドグラスと教会らしい階段がとても印象的だ。内部には3つのフロアがあり飲食店、ブティック雑貨屋など50以上の店舗がひしめき合う。人気ショップの出店はもちろんのこと、店舗を構える前の準備として初出店のお店もある。今後は話題のレストランなども出店予定とのことで、新たなNYの人気スポットになる予感大だ。
Text by Hiroshi Kurimoto