ニューヨークのグリーンマーケットの歴史 1976年、小規模農家を支え、ニューヨーカーに最も新鮮な食材を提供することをミッションとしスタートしたグリーンマーケット。30年ほど前、マンハッタンで新鮮な食材を手に入れる事はとても難しかった。そこで創始者であるBarry Benepe氏とBob Lewis氏は家族経営の小規模農家に着目。生産者が直接売り場に立つという形のマーケットを誕生させた。第一回目となった場所は59ストリート、セカンドアベニュー。当初は10ほどの農家が出店するというとても小さなマーケットだった。
規模が大きくなった現在でも、生産者が直接売りにくるというスタイルは変わらない。どのように育てられたのか、どういった調理法に適しているのかなど、貴重なアドバイスがもらえるのも魅力の一つ。そのため、シェフが食材を調達しに足を運ぶ姿もまれではない。この街の外食のトレンドセッターの一人、Danny Meyer氏もこのマーケットを愛する一人だ。ニューヨークの真ん中で、生産者とシェフがレシピについて話し合う。ひとつのコミュニティーを作り上げる素晴らしい光景だ。
このマーケットの恩恵を受けているのはニューヨーカーだけではない。地方での商売が難しく、一度は経営困難に陥った農家もグリーンマーケットに助けられている。Stokes Farmもそのうちの一つ。彼らは第一回目のマーケットの際にBob氏によって声をかけられ、経営を立て直す事ができたそうだ。現在もいくつかのマーケットに出店し、ニューヨーカーにおいしい食材を提供し続けている。
現在はGrown NYCの運営の下、野菜やフルーツ農家をはじめ、乳製品、手作りのお菓子、パンなど200を超える生産者が参加。50を超えるマーケットがニューヨークの至る所で行われている。新鮮な食材が間違いなく手に入り、人と人を結びつける場所。ゆったりとした時間が流れるグリーンマーケットは、毎日忙しいニューヨーカーにとってなくてはならない存在となっている。
さあ、PECOPECO!のグリーンマーケットマップをチェックして、美味しいニューヨークを体験しよう。