多民族文化で形成され、個性的なお店やレストランが多いことで知られるイーストビレッジ。Houston Streetから外れ1st Avenueを歩くと、そこには地元の人たちの集まる、小さなカフェやバーが立ち並ぶ。そんな中、ぽつんと現れる白い箱形の看板。よく見ると、中華料理をテイクアウトした時にご飯が入ってくる、あの箱の形。なんともシンプルな看板だが、中に足を踏み入れるとそこは別世界。店内は暗めで、真っ赤にペイントされた壁の至るところに、扇子や提灯、和傘が飾られ、アジアンテイストでエキゾチックな空間が広がっている。
ここがドラッグクイーンによるショーも楽しめるレストランとして有名な、ラッキーチェンズだ。そのショーを目当てに来るお客さんが多いのか、ショーの時間前になるとみるみるうちに店内は満席に。誕生日や、これから結婚する女性を祝うパーティで利用する団体のお客さんが目立つ。 テーブルを担当するドラッグクイーンたちは、 髪型、化粧、ドレスまで派手に着飾り、一人一人がとても個性的。お客さんを楽しませるだけでなく、彼女たち(彼ら?)の気配りと振る舞いはとても細やかで美しい。きらびやかな衣装に身を包んだショーガールによる歌あり、少し過激なダンスあり、そして笑いあり。店内は常にお客さんの拍手と笑い声に包まれる。「お客さんの気持ちを理解し、お客さんを巻き込んだエンターテイメントを提供できるところが、ドラッグクイーンの良さ」と言う、オーナーのハインさんの言葉にも頷ける。
来店者参加型のドラッグクイーンショー。男性顔負け(?)のパワフルなパフォーマンスで会場は熱狂に包まれること間違いなしだ!
料理のほうもアジアンテイストを忘れてはいない。野菜とマンゴーの入ったあっさり生春巻きや、わさび味のマッシュポテトなどおもしろい。Open Face Wontonsは、揚げられたワンタンの皮の上にレタス、コーン、バーベキューソースのかかったチキンが載っていて、お酒と相性抜群。こういうひと味違った料理を味わえるのもニューヨークならではだ。
(左)中央に燃えたぎる火山のビックリカクテル(中央)食事はユニークなコンテンポラリーアジアン料理(右)カリッと仕上がった春巻きはおつまみに持ってこいだ
今年中にタイムズスクエアへの移転を計画中だというHayneさん。1993年にオープンし、現在でも有名老舗店として衰えをしらない同店だが、その名前の由来がおもしろい。別のレストランの経営がうまくいかなかった頃、新しいレストランを考えていた彼女は、bus boy(食器を片付ける担当として働いてる人)の従業員をパートナーとして迎えた。その中国人パートナーの名前がチェン(Cheng)であり、アジアをテーマにしたこのレストランの全ての始まりとなったのだ。
「The more you drink, the prettier we look」は、クイーンたちのうたい文句。その言葉通り、飲めば飲むほど、美しく見える彼女たちとの時間は、他では味わえない忘れられない思い出になること間違いなしである。
609 Fifth Avenue at 49th St.
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http://www.jekyllandhydeclub.com304 Park Avenue South
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